2015/09/01

支えとは

声楽家にとって、【支え】とは、
答えがありそうで、ない、
一生探し続けていく部分です。



支えを、考えるには、
自分自身の身体を知ることが大事。


自分自身の身体を知るには、
誰かに見てもらうか、
毎日鏡の前で見るかであり、



その見る際には、



見た目ではなく、
見えない部分である、
骨格を見なくてはいけない。


骨格を見るには、
骨格を知ること。


つまり、自分の骨格が、
緊張のない状態で、
上下に伸びるように、
自由である状態でいることを
自然の状態であるとし、


その状態である上で、
必要な筋肉が、
必要な分量だけつき、

それが、【支え】へと繋がります。


歌う際に、息がなくなり
フレーズが尻すぼみになるのは、

何故か?


息がなくなる、という意識が
必要以上に身体に緊張感を与えてしまい、
自分で苦しい状態にしてしまっている


という例がある。


では、息がなくなる、
とか、苦しくなる
という意識を変えるには、
どこに働きかければいいのか?


肺の位置を知り、
肺の動きを知り、


肺の周囲を囲む肋骨と胸骨を知り


肋骨と胸骨は、
自然な呼吸状態でどのように
肺へ空気を送ったり出したりするのかを
知る。


その肋骨たちは、
とても太く頑丈な
脊椎によって支えられ


脊椎は、骨盤によって支えられている。


骨盤が、どれだけ
大切な要となるか、
(骨盤のマッピングの必要性にも書きましたが)


それをイメージするだけで、
【支え】とは、ただ漠然とした


『何かによるはたらき』とかではないことが
わかる。


人は、筋肉が働いていると感じると
安心するけれど、


もっと、もっと、
奥深くの神経と筋肉の連動、
人が、感じることができない部分に
意識を向けていくことが大事だ。



感じることができない部分に
意識をむけることができる


それは、人間の脳だけができる
素晴らしい能力である。


筋肉で歌うのではなく、
脳で、歌うのです。