普段、まったく更新がストップしている
フランス語の拙ブログに、
日本語の記事【
9月19日のお知らせ】を
間違えてアップしておりました。
後ほど、こちらのブログでもアップします^^
ところで、今日、ふと、目にした記事があり、
【十の勝ちは危ない、五分の勝ちが最上】
(甲陽軍艦より)
という一文に、なるほどーと頷いておりました。
まず、甲陽軍艦という書物ですが、
江戸時代初期に編纂された軍書。 20巻。甲州流の軍法,兵法を伝える目的で,武田晴信 (信玄) ,勝頼2代にわたる事績,合戦,刑政,軍法を記し,さらに甲州武士の事績,心構え,理想を述べたもので,特に軍法の記述に中心がおかれているので軍鑑といわれる。
だそうです。
(
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説より)
19歳のときに、まさにこれを体験したのですが。。
17歳6ヶ月目ではじめた声楽でしたが、
わずか8ヶ月と言う期間で、音大にストレート合格し、
19歳で、学部一番となり、そのきっかけとなったのが、
まさに、十の勝ち、と言えるような、
神がかった演奏を、したことによります。
ロッシーニ作曲のセヴィリアの理髪師の
登場人物、ロジーナのアリアと、
フィガロとロジーナの重唱で、
出すのが大変な高音を、
舞台でスコーンと出したのです。
あのとき、私は無我夢中であり、
自分が何をしていたかもわからず、
ただただ、音楽が先行し
私を、恍惚の世界へと導きました。
それは、十の勝ちでした。
勝つことに、文句のつけようのない
誰もが、『この子、誰?』と
なかなかつかない、点数もいただき、
一番となりました。
さぁ、そこから、順風満帆か?
と言うと、そうはならなかった
『十の勝ち』でした。
波に乗ってしまった演奏と言うのは
本当に神がかりであり、
歌の女神が、気まぐれに
光をあたえたような、
ラッキーなことだと思うのです。
どんなベテランの歌手でも、
毎回毎回、経験できるものではないのでは
と思うようなことでした。
それが、当時、まだ歌をはじめて
二年ちょっとの19歳が経験したのです。
大大大大スランプの始まりです笑
自分には、あの演奏ができる
と、そこに拘り始めてしまったのです。
十の勝ちには、直すところがありません。
すべての運とタイミングがそろいにそろった
そういう奇跡の出来事であると思います。
結局、私は、
十の勝ちは危ない、五分の勝ちが最上
という言葉に、深く感銘を受けたとしても、
十の勝ちに拘っている
十年以上経った今でも、
私は、そこに向かっているのだと
そういうことに、気づきました。
もちろん、拘りというのは
長い年月で、随分と柔らかくなり、
今では、
『また経験できたらいいな~
そして、できたら、次こそ
奢ったりせず、真摯に
努力することはやめない
から、お願いします。』
と、いう感じです。
充分拘っていますかね?笑
音楽を続けており、
フランス、フランス国外で演奏があり、
その私に共鳴してくださり
作曲したいと言ってくださる方がおり、
『レッスンを受けてみたい』と
おっしゃってくださる方がおり、
本当にありがたいと思います。
五分の勝ちが最上を
八分の勝ちで行こう
十の勝ちは、この人生で
味わえたらいいな、
そんなことを、思った
一文でした。