2015/09/13

吐き出しきった息は、どこに入るのか?

音楽家は、呼吸を制するべきです。



呼吸を制する者は
長い音楽家人生を
高いエネルギーで
過ごすのだと思います。



何故なら、音楽家の
演奏するエネルギーとは
非常識の域であり、
それを持続するには、
自然な身体のリズムと
呼吸無しでは、
難しいことだからです。


練習量の多さは、
脳へのダメージ、
舞台の多さは
心臓へのダメージ


演奏家とは、本当に
満身創痍になりかねません。


そして、怖いのは、
才能と言う一言で、
つい、できてしまうこと。


若いうちは、それに加え
全然苦でもなんでもなく
体力も勢力もあり、
回復も早いです。


しかし、40代、50代
はたまた、60,70,80代
となって、
果たして、
20,30代のようにいくか?
というと、奇跡のように
現役の数はごく僅かになっていきます。


70,80代の素晴らしい
音楽家が居ます。

それは、確かです。


ですから、決して
不可能ではないのです。


さて、前置きが長くなりましたが、
出し切った息は、どこに入るのか?
です。


これは、日常生活の呼吸とは
まったく違う強い呼吸が必要では
ありますが、息が入るのは
どんな状況でも一緒だということで。




息は、どこに入りますか?




おなか?
せなか?
おしり?




答え。

肺です。




肺に、息は入ります。


でも、息を吸うと
おなかやせなかが動きます。


それは、そうです。
肺に息が入ることで、
横隔膜がさがります。
さがることにより、
内臓がそのぶん押されます。


肺に息が入る、
というのは、
コントロールすることでは
ありません。

まず、胸骨と肋骨を
つなぐ軟骨が動きます。
それにより、脊椎が縮み、
気圧の差が生じて
息が肺へと入ることになるのです。

軟骨が動いたおかげで
横隔膜はさがり、
内臓が押されます。


逆に、息が出るときは、
内臓が戻ってきます。
そして、横隔膜もあがり
軟骨が動き、気圧の差で
肺の中の息が外へ出ます。

そして、出し切る、というのは、
腹筋を使います。
これは、決して
硬い筋肉ではありません。

柔らかい筋肉で、
必要なぶん、硬く
使う必要があります。


しかし、身体の表面から
触ることができる、
腹筋の意識のことではありません。

もっと、脊椎近く、
骨盤と脊椎の中心辺りの
筋肉の意識です。


これは、正しい呼吸を
身に付けていると、
自然に出来上がっていく筋肉です。


ここをおろそかにしないことが
音楽家としての生命力へと繋がります。

特に、女性は、
生理や妊娠等の
身体の変化もあります。
私も経験して、
自分の身体と向き合って
至る考えです。



呼吸を制するためにも、
毎日の積み重ねが大事です。


それは一見、重要なことでは
ないように見えるのが
また、面白いところだと思います。


わたし自身も、まだ30代に
突入したばかりですが、
70代の元気な師匠を見て
思うことです。



余談ですが、
レッスンで、教えるにあたり、
わたし自身が、こんなにも
情熱的になるのは、
やはり、師匠が
そのようにご教授して
くださったからここそです。

巡り巡っているのだと思います。


ちなみに、長年向き合って
編み出したエクササイズも
とてもユニークです^^


ひとつ、ご紹介いたします。


つま先で立ってください。
そのとき、自分が真っ直ぐ
たっているかどうかを
確認するための
エクササイズです。

つま先のまま、
後ろへ足を出します。
後ろ向きに歩くのです。

すると、身体は
バランスを勝手にとります。


そのバランスを身体に入れ、
つま先立ちのまま、
今度は、進行方向に歩く。

わからなくなったら、
また後ろ向きに歩く。

というエクササイズです。
もちろん、つま先立ちは
足から骨盤、脊椎の
バランスを保つために
筋肉を使います。
なので、筋肉も
しっかりとつきます。

ある程度の筋肉が
出来上がったところで
呼吸を正しく行います。
そして更に使う筋肉が
整えられます^^

後ろ向きに歩くときは
後方をに気をつけて、
横の姿が見れる鏡が
あると、なおいいです。