Anne Le Bozecという一流ピアニストのマスタークラスがありました。
彼女のレッスン姿を拝見し、一目で
『この女性は一流だ!』とピンと来ました。
非常にストイックでありながら、自由な彼女の
フォーカスしている部分を一瞬で私の直感がとらえ、
ビビビっと身体中に電流が走りました。
その直感を整理し、こうして言葉にするのに
時間が必要でしたが、それはつまり、
『目の前で演奏されている音楽を正すこと』
それに集中しているということです。
それ故に、非常に冷静で、知的で的確に
的を射た発言をし、一気に音楽が生まれ変わるのです。
それは、Anneが、音楽と向き合った時間と才能の
恩恵だと思いました。
彼女と出会ってからというもの、
楽譜を読み取るよりも、とにかく演奏してみる。
そして、そこからくる直感を大事に演奏を繰り返し、
そのようにして、深く読み取るということを実践しています。
ただ、楽譜と向き合って頭で整理しても、
この、直感と心から『正しい』と思う演奏から整理される音楽は、
雲泥の差があります。
その正しさを追求するにあたって
作曲家へのリスペクトがあり
歴史などの教養を深く学び、
にごり無く、クリアな精神状態であることが
とても大事だと思いました。
今、Anneという女性に出会ったことに
感謝しています。