2015/11/08

美しく在ることとは

この週末は、大きな雲がありながらも、
気温は異例の20度を越え、



息子二人と、散歩するいい機会と
なりました。



二人とも、トロチネットを使って、
悠々と遊んでいるのを見て、



街の中心にこのように、
車の心配も要らず、
大きな広場があるのは
さすがは、フランス。


何故なら

そこは、街の市役所です。






この広場の裏側には、
小学校や幼稚園、公園
それから、小劇場があり、



幼稚園に迎えに行くたびに、
規模の大きさに圧倒されます。



街の中心地ですので、
老若男女問わず、
多くの方が、散歩しに
来ています。



次男は、そういう時に、
あまり人見知りせず、

『Bonjour !』

と笑顔を振りまいています。



大抵、彼は、とても
落ち着いているマダムに
声をかけます。



どのマダムからも、
絶賛されるその笑顔に
誇りを持っているかのようです。



しかし、昨日は、違い、
ベンチにゆっくりと腰をかけ、
美しく凛とした姿勢の
美しいマダムの隣に



小さい身体でベンチによじ登り、
マダムと同じように座って、


首を傾けて

『Bonjour !』

と、笑顔を出しました。



そのマダムは、ちらりとも
次男を見ずに、


隣に次男が来た気配で、
席をあけるために、
わずかに、横にずれました。



次男は、おかしいぞ、と


もう一度、

『Bonjour!』


と、声をかけました。



そのマダムの隣に座っていた
マダムの友人だと思われる女性が、


『Bonjour !』


と、返事をしたのを見て、
息子も嬉しそうでした。


けれど、息子は、
そのマダムが気になっているようでした。


そして、私は私で、
その美しきマダムの
呼吸に、惹き付けられました。



子供に対しても、
姿勢を崩さないのです。



二歳半の男の子に対して、
とても美しいフランス語で、


『座る時は、足で人を蹴らないよう心掛けなさい』


と、言いました。


次男は、そのマダムから
そのリズムを受け取り、
マダムの隣に静かに
しばらく座って並んでいました。



私は、その場面から目が離せず
ある言葉を思い出していました。





正義とは、押し付けること
愛とは、惹き付けられるもの






私は、その光景とマダムに
惹き付けられていました。



マダムの態度は、
以前の私だったら
どう感じていたかと
思いました。


あまりにも安易に、
冷たい、と感じていたかもしれません。



でも、今回のことで
解りました。



彼女は、愛をもって、
そこに座っていたのだと思うのです。



美しく在ること、


それは愛です。







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