いつもよりも、
研ぎ澄まされた感覚で目覚めた。
これは、私の思い過ごしで、
勘違いかもしれないと、
言い聞かせて、いつも通り、
朝の運動を始めた。
いつもエンヤの音楽に合わせて
一時間ほどのストレッチを行う。
いつもと違う音が耳に入る。
こんなにも、美しい音楽だったかと、
新しい音楽を聞いているかのようだった。
息子たちが起きてくる。
(フランスは、11月11日は祝日)
『お誕生日、おめでとうございます』
可愛い可愛い二人の息子から、
抱きしめられ、心が安らぐ。。
その後、Parisで稽古があったので、
いつも通り、でかける。
朝の新しい太陽が燦々としていた。
こんなにも、眩しかったのかと、
朝の空気を味わいながら、でかけた。
稽古が始まる。
美しい、美しい、美しい。
涙が出るほど、美しい。
新しい音楽と出会ったみたいに、
新しい感動があって、
いつもと違う、発見があった。
仲間から、
『J'aime ce que tu fais 』
『僕は、君のしていることが好きだ』
と、何度も、歌わされた。
勝手に、雰囲気が高揚していく。
稽古が終わって、
『じゃぁ、空港で!』
と、キスをする代わりに
『Joyeux anniversaire !』
『お誕生日おめでとう』
大きな、包みを渡してくれた。
中は、偉大なアーティストの
書簡集であった。
マリア・カラスの直筆の手紙。
もちろん、レプリカだが、
その量の多さ、更には、
彼女の、現役時代の写真も
入っていた。
こんな、素敵な贈り物を思いつくなんて。
どうやら、朝感じた
研ぎ澄まされた感覚は、
私の勘違いではないらしい。
どうやら、私は、
祝福されているらしい。
帰宅すると、愛するパートナーが、
私の大好きなチョコレートケーキを焼いて、
大きな、真っ黒の素敵な帽子を
プレゼントに用意して待っていてくれた。
美味しいランチを家族で食べ、
今朝の録音を聞く。
自然と、涙が出た。
心から、父と母に感謝した。
生んでくれた。
ありがとう。
本当に。
人生で、こんな美しい日が
訪れるとは、何という恵だろう。
感謝しかない。
何があっても、私は、大丈夫。
皆様、本当に、ありがとうございます。
今日、お陰様で、
32歳の誕生日を
こんな素晴らしい気持ちで
迎えることができました。
心から感謝をこめて。
Sayuri ARAIDA HP
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