2017/09/03

音楽の神様


私にとり、舞台に立つことで、
毎回毎回、大きなものを受け取る。





大きなエネルギーだけに、
受け取るエネルギーもまた大きい。




今回の、舞台もまた、
大きなエネルギーをいただいた。





舞台の二日目のリハーサル中。





指揮者の譜面台から、
ポトリとワーグナーの楽譜が落ちた。





ポケットタイプのもので、
B6サイズくらいの小さな楽譜。






私は、ちょうど、それが落ちたのを見たが、
指揮者も、オーケストラの人々も、
誰一人として、気付いていなかった。





私自身遠くにいたのもあり、
声をかけなければ、
と、ステージに向かった時。





いきなり、コンサートマスターの
譜面台の照明が、ガタンと落ちた。





みんな、その照明に目をやる。





そして、指揮者が、ワーグナーの
楽譜が落ちていることに、気が付いた。





私は、指揮者には、音楽の神様がいる、
そう、確信したのである。





彼は、いつも、音楽の神様に愛されている。





もう5年前くらいになるが、
その時も、やはり、ワーグナーだった。





彼が、ピアニストとして座り、
とあるメッゾの背の高い女性が、
ワーグナーの曲を歌っていたのだが、
その時、その歌手の方が調子悪く、
どうしても、音程が定まらずにいた。





すると、彼の目の前にある楽譜が、
突然、風に煽られて、飛んでいき、
演奏が中断されてしまったのだ。





あれは、本当に、不思議だった。






室内で、風など吹かないであろう中、
あるいは、照明がガッチリと譜面台に
設置してあり、落ちることなどないであろう中。





そういうことが、起きたのは、
きっと、音楽の神様の仕業なのでは。





そう思い。
(ワーグナーの神様かしら)





私は、音楽の神と共にいる指揮者の隣で
とても伸び伸びと歌うことが出来た。




もちろん、神は、
微笑むばかりではなく、
時には、むごい試練もお与えになるのだが。





音楽の神に愛されている彼のような、
心で、身体で、全身全霊で
音楽に向き合っている姿勢に、
かなわない、とも感じた。





それでも、少しでも、応えられるよう。





今回の舞台で得た、すべてのことを、
受け止めて、また、改めて、
謙虚な気持ちで、スタートしたい。





これからも、日々、
精進したいと思います。











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