まず、最初に私は歌詞を読みます。
音符が入らないように、音符を隠して。
どんな音かリズムかを
先入観無しで、歌詞を読みたいからです。
原文を読むのとはまた違い、
音符を隠すことで、
言葉の間がわかります。
もちろん、歌詞は日本語ではありませんので、
自然に頭に言葉のイメージが湧き上がるまで
何時間でも読み続けます。
これは、オペラ一本となると、
夕飯抜きです笑
そして、隠していた音符を
じっと見つめます。
頭の中に、音が鳴り始めます。
言葉のイメージと音色が重なり、
私の中で、少しずつ見えてきます。
そして、ピアノを弾きます。
調性を感じ、音と音の繋がりから
ハーモニーを感じ、
リズムどおりに弾きます。
これもまた、丁寧に行うので、
もちろん時間がかかります。
どっぷりと音を感じたら、
ピアノから離れ、
歌のパートを歌い始めます。
最初に、音を隠して読んだ
歌詞たちが、どのように
響き出すか。
何かが産まれる瞬間です。
そして、もう一度、ピアノに
座って、音の確認です。
ひとつひとつの工程は
非常に地道です。
しかし、ひとつひとつの
工程を丁寧に心を込めて
作品が響くその時をイメージし、
パーツを組み合わせていくのです。
たまらなく大好きな時間です。
どの工程でも、妥協はしません。
意味がないからです。
どんなに時間がかかっても、
私は、本物しか興味がないので
妥協せずに、そこへと
行きます。
私は、このエネルギーでいることが
本来の人生のあり方であると思います。